STARTPAGE(133ch)Backnumber 19980202 by J.Taniguchi(jtn@tama.or.jp)

パックマンになったバルブ

昨年10月10日に開催したスタートページツーリングに来てくれた林さんに先日またお会いする機会があったのですが,スタトペジツリンから1ヶ月ほどした昨年11月半ばに彼のBMW k1が故障してしまったとのこと。

高速道路巡航中に急にエンジンの力がなくなり,とりあえず,最寄りのインターチェンジで降りて様子をみるもののエンジンは弱々しくアイドリングするだけ。

結局,その日はなんとかだましだまし家まで帰り着き,後日整備工場でエンジンを開けてみると...なんと,16本あるバルブの一本の傘の部分が欠けてしまいパックマンになっていた(^^;)らしいのです。

以前,ここにも書いたとおり,エンジンはガソリンと空気が混じった混合気を圧縮→点火→爆発させ,このエネルギーを走る力に変えているため,バルブが欠けてしまうとエンジンの中の気密を保てない→圧縮がかからなくなる→点火しても爆発しない,つまり,その気筒は死んでしまうわけ。

こうなると,小さな排気量のオートバイだとお手上げってことになることが多いのですが,そこはさすがのBMW。1気筒減って3気筒になってしまっても自宅までの100Km以上を何とか走り切れたというのはBMWの底力というところでしょうか。

さて,問題はバルブが欠けた理由です。このあたりの因果関係を解明するのはなかなかむずかしいのですが,欠けたバルブの気筒に使っていた点火プラグの電極がきれいになくなってしまっていたとのこと。プラグの電極が何らかの原因で溶け落ちて,燃焼室の中で暴れてしまい,それがたまたまバルブに命中したということなのかもしれません。いきなりバルブが欠けるなんてことはまずあり得ないことですからね。

今回のアクシデントは高性能プラグに交換後,7000kmくらい走っていたらしいのですが,こういうプラグは火花が強い分消耗も早いということなのかもしれません。早めの点検・交換がポイントということでしょうか。なお,BMW純正扱いのボッシュ製の点火プラグの場合10,000kmは楽にもつはずです。


▲▲目次へ▲ひとつ前次に進む▼


画画像の説明:傘の部分が欠けてパックマンに
なってしまったバルブ

Return to J.Taniguchi's HOMEPAGE!