ISIZE USER COLUM(133ch)Backnumber 199901027 by J.Taniguchi(jtn@tama.or.jp) |
モーターショーレポート(3) |
●洗練されたデザインにこめられたハイテク 何となく洗練されたデザインではあるけれど,一見ただの自転車に見えるこのモデルはヤマハのハイブリッドコミューター。 実は,このスマートなボディにはエンジンと電気モーターの両方が備わっています。エンジンはリヤタイヤのフェンダー(泥よけ)上部。モーターはペダルの隣。 ペダルをこぎだして時速5km/hになるとエンジンが始動。エンジンが始動したらあとはペダルをこがなくても一定のスピードで走り続けます。加速したければまたペダルをこげばセンサーがライダーの「加速の意志」を検知してモーターの回転を高めてくれる。減速はブレーキで。時速5km/hを下回るとエンジンは自動的に停止するというカシコイ乗り物。 モーターはともかくとして,フェンダー上部に位置するエンジンの動力をどうやって車輪に伝えているのか...と思って資料をよく見ると,このエンジンは,なんと発電専用。 エンジンに発電機をつないで発電しつつ,モーター経由で車輪を駆動する。もし電気が余った時には,バッテリーに充電しておいてあとから使うこともできる。ちなみに燃費はリッターあたり150km。 なるほど。 電欠になってしまうといきなり重たいだけの自転車に化けてしまう電チャリの弱点を,できるだけ現実的な方法で解決しようとしている乗り物なんですね。 ガソリンなら全国どこでも売っているし,補給する時間も充電に比べてしまえば”瞬間”といってもいい。 こいつもなかなかコロンブスの卵してると同時に,手の届く未来を提示していると思いました。 実際には,価格面や”原付”についての法的な側面,自転車専用レーンの整備などさまざまな課題をクリアしていかなければならないようですが,是非とも街中に出てきてもらいたいもの。開発陣のご健闘を心よりお祈り申し上げております。
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画像の説明:個人的には グッドデザイン大賞 を差し上げたい! |
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