このコラムが始まったころから，パニアケースの便利さについては何度も書いている通りですが，パニアの唯一の欠点は，装着すると車幅が大きくふくらんでしまう点。

リヤキャリアの上に「バイク便」方式に取り付ける場合にはそれほど問題ありませんが，左右に付けてしまうと，車種によっては軽自動車といい勝負になってしまって街中で乗るにはちと大げさ過ぎると感じる人も多いでしょう。

そのためかＢＭＷでは，書類ケースほどの大きさのパニアをシティケースと称して売っていたりしますが，パニアってのは当然その形を超えるものは収納できないので小さすぎるよりは大きすぎるほうが何かと便利であるのもまた事実。

うーむ。収納性を重視して街中の操縦性をあきらめるか，収納性についてはある程度妥協して街中の軽快な操縦性をとるべきなのか。。。

しかし，そんな悩みを解消するパニアがいよいよ登場。

４月半ばに発表・発売されたＢＭＷ　Ｆ６５０ＧＳ用純正パニアであるシステムケース(部品番号 L:7160 7653 831,R:7160 7653 832)です。

巧みに考えられた入れ子構造によってパニアの幅が５センチほど調整できるようになっているのです。さらに，その調整も蓋を開けて内部のつまみをいくつか操作するだけというお手軽さ。

クルマがあふれる街中を，一度でも両パニアで走ったことのある人なら片側約5cm，両側で約10cmもコンパクトになるありがたみはきっと想像できると思います。

防水については別売のインナーバッグに頼らざるを得ないことと，ヘルメットが収納できないって２点は欠点といえなくもないですが，でも，今回はこの画期的なアイデアがそれらを上回って余りあるってことにしておきましょう！